妊娠中の乗り物酔い

妊娠中の乗り物酔いに悩んでいませんか?乗り物酔いのメカニズムと主症状、市販薬を飲めない妊婦が活用できる乗り物酔い軽減のコツを、わかりやすく説明します。

乗り物酔いがおこるのはなぜ?

乗り物酔いは、乗り物に乗っているときに耳・目・筋肉や関節が刺激を受けることによって始まります。

内耳(ないじ)が刺激をキャッチ

耳の構造

乗り物酔いをキャッチする耳の器官は、内耳(ないじ)のなかにあります。鼓膜よりも内側なので、私たちが耳かきをしても届かない部分です。

内耳には三半器官(さんはんきかん)といって体の動きによる回転運動をキャッチする器官があります。三半器官の中のリンパ液が動くと、「刺激を受けた」と脳の前庭小脳(ぜんていしょうのう)に報告します。前庭小脳はそれを大脳に伝達します。

さらに三半器官の近くになる耳石器(じせきき)は砂のような存在です。体が揺れて耳石器が動くと、「刺激を受けた」と前庭小脳に報告されます。

目が回るような刺激

乗り物で移動するときに、めまぐるしく変わる景色に目が疲れたり、不快な気分になりませんか?例えば高速道路でカーブが続くアスファルトばかりの景色では揺れているばかりで不快感を感じることがあります。これも刺激となって、脳の前庭小脳に報告されます。

体が感じる揺れや振動

乗り物に乗ると、少なからず揺れや振動で体が動きます。筋肉や関節が揺れをキャッチすると、神経を通じて前庭小脳に報告されます。揺れを感じることが多いほど、沢山の報告が伝わることになります。

脳がパニック

これら各器官から脳の前庭小脳に集まった報告は、前庭小脳によってバランスコントロールされます。上手に調節して、揺れや振動による刺激を抑えていきます。でも乗り物酔いのときは各器官から絶えず、刺激を受けた報告があがってきます。

膨大な刺激の報告や、普段は受けない揺れや振動の報告をうけて前庭小脳は処理しきれなくなることがあります。処理しきれないまま大脳に最終報告をあげるので、大脳は理解できない報告を「正常だ」と判断できずに、不快と受け止めてしまい自律神経が乱れるのです。このときに現れる症状が乗り物酔いなのです。

乗り物酔いの症状

めまい

乗り物酔いでは、お酒も飲んでいないのにフラフラします。これは自律神経が乱れて、いつまでも三半規管(さんはんきかん)の中のリンパ液がグルグル回り続けているからです。

ブランコや遊園地のティーカップに乗った後に、フラフラしてしまうことがありませんか?これも三半規管内のリンパ液がグルグル動いてしまっているからです。

妊娠中は急なめまいで段差を踏み外したり、バランスを崩して腹部に衝撃をあたえないように気をつけたいです。

吐き気や嘔吐

乗り物酔いが酷くなると、吐き気や嘔吐が抑えられなくなります。妊娠初期でつわり症状がある場合は、特に吐き気が強くなりがちです。

呼吸が乱れて顔面蒼白

乗り物酔いの症状で周囲にも気がつかれやすいのが、顔色です。呼吸が乱れて上手に酸素を取り込めなくなると、顔面蒼白になります。

乗り物酔いの一時的な症状で病気ではありませんが、呼吸が安定しないとめまいや急激な眠気に襲われます。外出先で注意力散漫になると、妊娠中の転倒や怪我が心配です。

頭痛

乗り物酔いでは、立っていても座っていても頭痛に見舞われることがあります。ガンガンするような激しい痛みの場合は、乗り物に乗り続けるのも苦しくなります。ジーンとくる痛みは周囲には気づいてもらえず、じっと耐えるのも限界があります。

特に妊娠中は頭痛によってイライラしたり不快感が増すと、ストレスも増えます。妊娠中はストレスや不安を少しでも軽減したいので、頭痛は厄介です。

妊婦の乗り物酔い対策

しっかり睡眠

誰でも睡眠不足のときは乗り物酔いになりやすいので、妊娠中もしっかり睡眠時間を確保してください。睡眠をしっかりとっていないままだと疲労も解消されず、乗り物に乗るだけで疲れを強く感じます。

逆に乗車時間が長い時は、目を閉じてリラックスして仮眠をとるもの酔いにくいようです。その時も疲れて熟睡すると、目覚めに揺れで不快感が出やすくなります。あくまでも睡眠時間をしっかりとったうえで仮眠をとりましょう。

空腹や乗車前の食べすぎは禁物

空腹だと揺れで気持ち悪くなりやすく、満腹すぎると消化が間に合わずに嘔吐感が強くなります。油っこい料理など消化しにくく、胃もたれしやすい料理も避けたほうがベターです。

乗車直前ではなく、少し前に食事を済ませて消化する時間をつくることも考えてください。妊娠中のつわりで空腹を感じやすい時は、お気に入りのガムや飴を持ち歩くと安心です。

ゆったりした服装

妊娠中は体を締めつける服装は避けますが、特に乗り物酔いを避けたい時は首や胸、お腹周りを締めつける服装は控えましょう。首元が苦しいと、よけいに息苦しさを感じてしまいます。

妊娠中はタイツやストッキングも窮屈に感じたら、妊婦用に切り替えてください。足がむくむと不快感が増してイライラしやすくなります。

頭を下げず、進行方向を向く

乗り物酔いを避けるためには、乗車中の読書やゲーム、携帯を使うことも控えましょう。下を向くと揺れを感じやすく逆効果です。

頭をできるだけ動かさないで、進行方向を向くと酔いにくくなります。バレエやフィギュアで回転するときにクラクラしたり酔わないのは、常に顔を体の動く方向に向けるからです。頭を動かさないっことで、三半規管(さんはんきかん)のリンパ液が動くのを最低限に抑えるのです。

もしも退屈になったときは、読書やゲームよりも音楽を聴くことがおすすめです。

下車しやすい場所をキープ

妊娠中だからといって常に座りたい場所に座れるわけではありませんが、座席に座るときも立つときも、下車しやすい場所を選ぶと体調が悪くなったときも対応しやすくなります。混雑する時間帯を避けるとさらに安心です。

乗り物酔い困ったときは、我慢せずに下車して深呼吸したり人ごみから離れることも効果的です。

酔い止め薬は要相談

乗り物酔いの薬は、必ず医師に相談して妊娠中でも服用できるのか確認します。子ども用を選んでも、大人用と成分はほぼ変わらないので安心には繋がりにくいと考えてください。

酔い止めの薬を服用したい時は、妊娠中であることを伝えたうえで医師に処方してもらいます。




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